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魔法少女リリカルなのはI’s 第二話




それは、小さな願いでした

忘れてはいけない 大きな思い出

この手で守ると決めた 大切な友達

少女は友に杖を向け、大きな声で訴えた

決意と勇気を胸に秘め、小さな記憶を護るために……








――――― 魔法少女 リリカルなのは I's    
                           はじまります ―――――



              第二話 「襲撃者(前篇)」













「申し訳ありません。リンディ提督」

明るい電光に照らされ、力なくベッドに横たわるクロノは、暗い表情のままのつぶやくようにそう言った。

巡航L級8番艦アースラの艦内病棟。その一室に執務官クロノ・ハラオウンは収容されていた。
真っ白な生活感のない病室に、花を生けられていない花瓶。それらは、クロノがつい最近になってこの病室に入れられたことを示すものであった。

そして今、室内にいるのはクロノ・ハラオウンとその上官であるリンディ・ハラオウンの二人だけである。
病室は重苦しい沈黙で満たされている。
いや、今はアースラ艦内のすべてがこの嫌な沈黙に包まれているのだ。

原因は明白

たった一人の魔道師……いや、たった一人の『少女』、の反乱である。




高町なのは
ミッドチルダの生まれではないが、時空管理局内屈指の魔力量と、遠距離戦闘力、対魔法防御能力を誇る、AAAクラスの魔道師。
世界を震撼させた先の大事件、『P・T事件』の第一の功労者。そして、『闇の書事件』の解決にも九歳という若さで大いに尽力。
性格は明朗快活にして、清廉潔白。それでいて、歳相応に素直なところもある、可愛らしい女の子であったはずだ。


その少女の反乱。

いつでも明るく純粋だった彼女に親しみを感じていた局員も少なくはない。
その少女が管理局の代名詞とも言える執務官に戦闘を挑み、大怪我を負わせた挙句に姿を消した。

そして、彼女が所持していたと言われるのがロストロギア『ジュエルシード』



「本当に申し訳がありません。提督」

再度口にした謝罪の言葉は、心からの申し訳のなさと自分に対する不甲斐なさの集まり。
クロノ・ハラオウンは、自他共に認めるほどに責任感の強い少年であった。
なのはを管理局の戦闘魔道師に推薦したのも彼。
彼女が無事に職務つくことができた後も、戦技教育を施し、あまりにも偏っていた能力バランスを補正増強したのも彼。
そして、その彼自身が気付かぬ間に少女は彼をも凌ぐ実力者となっていたのである。

『高町なのは』に、一個人で反乱を可能とするほどの戦闘技能を与えたのは自分だ。

そう自己を叱責しなければならないほどの根拠は十分にあった。

病室のベッドで半身を起こした体制のまま、俯くクロノ。
下半身にかかったシーツを、掌が痛くなるほどに硬く硬く握り締める。

ふと

その小さな手を優しいぬくもりが包む。

「クロノ……なのはさんのことは残念だけれど。でも、そんなに自分を責めてはダメよ」

彼の母であり、上官でもあるリンディ・ハラオウンである。
職務中はけして「母」と呼ぶことはないものの、尊敬する上官であり、また、プライベートでも敬愛すべき母親だ。

「彼女が使ったのは、あのジュエルシードよ? とても一個人の魔道師が太刀打ちでくるような物じゃないわ。
 ましてや、そのロストロギアを使ったのがAAAクラスのなのはさんだもの。
 もし、あの時あの場所にいたのが誰であったとしても、彼女を止めることなんてできはしなかったでしょうね」

そう明るく微笑みながらクロノを慰めるリンディ。
どう? と、お茶をすすめながら少年をうかがう彼女の顔色は、クロノに負けないくらいの土気色だった。

高町なのはという少女の魔道師としての生活を一番に応援し、補助していた彼女だ。
クロノと同等、いや、もしかしたらそれ以上に、この事件について気負っているのかもしれない。

「そういえば……」

と、クロノは顔を上げてリンディに言葉を投げかける。

「……その後、事件の進展は?」

執務官クロノ・ハラオウンとしては、たとえ病床にいようとも、事件の情報は出来るだけ入手しておきたいと言うのが本音だ。
幸い、医師の診断によれば身体に受けたほとんどのダメージが魔力的なものであったそうで、物理的なダメージはないに等しい。
職務にもすぐに復帰できるとのことだった。
クロノの前向きな発言を聞き、リンディの声も多少のハリを取り戻す。

「なのはさんが管理局のトレーシングから消失して丸二日。今のところ、彼女の居場所を察知するどころか、その目的すらも解っていない、というのが現状ね。
 ただ、この二日間に消息を絶った管理局の魔道師が、彼女のほかにも10人。その誰もが優秀な戦闘魔道師なのだそうよ……。」

たった二日の間に10人。『異常な事態』で済ませてしまうのはたやすいだろうが、しかし、ことはそんなに呑気にはいかないだろう。
なにせ、強靭で知られる管理局の魔道師、そのなかでもさらにふるいにかけられた戦闘魔道師が10人も、失踪したのである。
無意識のうちに展開した思考を整理するため、クロノは声に出してみる。

「なのはを皮切りとして、消息を絶った優秀な魔道師が10人。それも、たったの二日で。
 無理やりにでも、この10人の失踪をなのはの件と関連させて考えるとするならば、可能性は2つ。」

ぼやいたその言葉にリンディが追従する。

「なのはさんと同じ目的を持ち、彼女に同調、同行し、姿を消したという可能性が一つ……そして、もう一つは………」

そう、もう一つの可能性は、

そうであって欲しくないこと、

そうであってはならないこと、



「「すでに彼女の手にかかり、管理局に姿を現せられない状態にある可能性」」



そうして、事態は空転を続ける。








     ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇







「やはり、見つからない……か。」

晴れ渡る空の中、フェイト・T・ハラオウンは自嘲気味に小さくぼやいた。
ここは彼女たちが普段生活している世界からも安易に転移が可能な異世界。
そして、なのはが以前に転移したことのある世界でもあった。

なのはのクロノ襲撃そして失踪の知らせを受けてから、はやくも二日間が経とうとしている。

嘱託という立場にある彼女のもとには、「高町なのは失踪」という公式の通達はまだきてない。
いや、きっとこれからも来ることはないのだろう。
高町なのはとフェイト・T・ハラオウンは、とある事件からの無二の親友ではあるが、時空管理局という大局から見れば、そんなものはほんの小さな一個人の事情に過ぎないのだ。
造犯した可能性のある人物がターゲットなのだ。むしろ、友人である彼女のほうに捜査員としての打診が来ることのほうが異常ともいえる。

ゆえに彼女は個人として休暇をもらい、個人として捜索をしているのだった。

眼下にそびえる森林、彼方に見ることのできる山々。
気持ちのよい真っ青な空がどこまでも続く、とても美しい世界。

「(アルフ…そっちはどう?)」

思念通波を使い、使い魔であり親友でもある相棒によびかける。

「(…だめだ、こっちにもいないよ……、なのは…、どこに行ったんだよ)」

返答は少し沈んだ声だった。それは当然のことかもしれない。
アルフもフェイトに付き添って昼夜を問わず探し回っているのだ、その疲労は推して知るべしと言ったところなのだろう。

「(わかった。そろそろ引き時なのかも知れない。アルフ……いったん落ち合ってから、アースラに帰ろう)」

「(りょーかい。すぐにそっちに行く)」

フェイトはアルフに帰還を呼びかけ、自分は転移魔法の展開にかかる。さすがに二日間も寝ていないとなると集中力こそ散漫になってはきたものの、戦闘などの行為を一切行っていないせいで、魔力は十分に有り余っている。二人分の転移魔法くらいはわけもない。

程なく魔法の展開が完了し、あとは発動させるのみという状況になった。

(アルフは……)

準備を整えたフェイトが遮蔽物のなにもない空中で相棒を探そうとあたりを見回した、その瞬間


『Danger』


突然、デバイス「バルディッシュ」が警告を告げた。

とっさに頭上を仰ぎ見たフェイトは迫り来る火球を確認する。
しかし、散漫になっていた集中力とともに、緩慢になっていた思考はうまく回転してはくれない。
その間にも火球は速度を増し、まるで隕石のように迫る。避けることすら出来ないままフェイトは目を瞑り………

「フェイトーーーーッ!!」

聞きなれた声が響いた

   ――――――――――!!!!

激しい炸裂音

「大丈夫か?」

耳元で聞こえる暖かい声に目を開くと、そこには薄紫の障壁と共に逞しい狼人の娘が立っていた。








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ぴんくいくま

Author:ぴんくいくま
・趣味
読書、テニス

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ファンタシースターポータブル
「歌ってみた」


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「就寝前の30分、筋トレ月間」
「1ヵ月食費1万円生活」

・今回の執筆BGM
 『歌に形はないけれど』
by フニ子

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