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魔法少女リリカルなのはI’s 第四話



それは、ちいさな出会いでした


記憶に残る、優しいぬくもり

記憶にはない、確かなふれあい

夢で会ったのは、暖かい影、焦れた人

弱い私には、その出会いが、懐かしくて、暖かくて、抱きしめたくて……


でも今は、そばに彼女がいてくれるから。

こんな私を好いてくれる、こんな私が好きでいられる、

辛い時はいつも一緒にいてくれた、優しい友が………








――――― 魔法少女 リリカルなのは I's
                           はじまります ―――――



              第四話 「再逢」













フェイトの視界に広がったのは真っ青な空だった。
足元には戦闘を行った際に徐々に広まっていった薄い雨雲が絨毯のように広がっている。

「だからいったでしょ? フェイトは強いって」

優しく微笑む女性は、傍らに立った少女に言った。

肩の上あたりでそろえられた薄茶色の髪。
ピンと張った背筋。
その姿勢にとても良くあっている、しっかりと設えられた衣服。
栗色の髪にちょこんと乗った帽子。

彼女はそう

「リ……ニス?」

何度も夢に見た、母の使い魔、そして、愛すべき師。

「ひさしぶり、ですね。フェイト」

あのころと何もかわらぬ。その口調。

「リニス……なの?」

呆然と、ただ、現状を疑うことしか出来ぬままにフェイトは問うた。
ありえないはずの事態に対する、動揺。

「そうですよ、フェイト。大きくなりましたね。それに、ずいぶんと成長しました」

リニスは肯定の返事と共に、にこりと微笑んだ。
あのときのままの、優しい笑み。

「ん。どうかしましたか? フェイト?」

かつて、手で触れられる距離にいた彼女は、唐突に、遠い遠い彼方へといってしまった。
彼女のはずがない。それは、当たり前のこと。
微かに残った理性でそう思いながらも、それでも、フェイトは無意識にこぼしていた。

「リニス……なんだよね?」

偽物ではない確かな記憶として、彼女の中に存在していた、大切なヒト。
すがりたいと、思ってしまった。

「そうですよ、フェイト。私はリニス。あなたのコーチ。
 そして、プレシア・テスタロッサの使い魔。
 ……おいで、フェイト」

にこやかに微笑んだまま、リニスは両手をフェイトに向けて差し出した。
フェイトの目を見つめたまま、ゆっくりと誘う。

「リニス……」

そうして、フェイトが一歩を踏み出そうとして……


「フェイト。違う。あれはリニスなんかじゃない」


耳元で声が聞こえた。
いつも、力強く支えてくれた、暖かい声。
暖かい感触。

「ごめん、フェイト。遅くなった」

アルフだった。

「フェイト。リニスは、あいつは、ずっと昔にいなくなった。……死んだんだ」

事実をつきつける。
そう、リニスは、フェイトの為に死んでしまった。
プレシアとフェイトを結びつけるために、自らの命を捧げたのだ。

「あれはリニスじゃない」

もう一度そう言って、リニスではない「誰か」を睨みつける。
しかし、彼女は心外だと言わんばかりに首を振った。

「アルフ。違うよ。私はリニス。今は、信じてもらえないかもしれないけど、でも、私は本当にリニスなの。
 ううん。そんなことより、アルフも、大きくなったのね。とは言っても「大きさ」はあの頃からそんなに変わっていないけれど。
 ……『足止め』も、役には立たなかったんだね」

少しうれしそうに、言葉を放った。
わが子の成長を喜ぶような、そんな表情。

「フェイトは戦闘経験をつんで、臨機応変な戦い方を身につけた。
 アルフも、パワーだけじゃない、多彩な術を習得した。
 定石どおりの戦闘プランを破って見せた。
 デバイスも持ってない管理局魔道師じゃあ、相手にならなかった」

そこで、いったん言葉を切り。



     笑みを消した




「これから、あなたたちに、『ためし』を受けてもらいます。
 上手くいけば、探し人に会えるかもしれません。
 拒否はしないと思うけど、拒否を認めることはありません。
 どんな方法でもいい。
 私たちを、降伏させてください」





それでは、と息を止める。





「アリシア、準備はいいですか?」



「もちろんだよ、リニス♪」





   フワッ






風を切る音と共に、背後から弾むような声が聞こえた。












        ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇







「なぜ彼女を行かせたっ!?」

クロノは人目をはばかることなく、声を荒らげた。無理に無理を通して病棟から外出の許可をもらい、アースラの管制室に足を運んでみれば、そこに待ち受けていたのは予想を超えた事態だった。

フェイトが休暇を取って、アースラからの長期外出。

彼女の目的を予測するのはたやすい。『なのは』を探しに出たのだ。
アルフを連れ、部屋のカートリッジもすべて持ち出されていたらしい。
当然、フェイトは何者かとの戦闘も考慮しているのだろう。

気がつけば、よき理解者であり同僚であるエイミィに強い口調で言葉を投げつけていた。

「…………」

普段からは考えられないクロノの様子に室内が静まりかえる。


「……すまない」


それを破って謝罪の言葉を口にしたのは、エイミィではなくクロノのほうだった。

冷静に考えてみれば、フェイトが申請をしたのは一昨日の夕方。そのころ、一連の事件の情報は上層部で審議され、対応策が練られている真最中だったはずだ。
当然のことながら、このアースラを含む各部署への通達はそれよりもずっと後のことになる。
つまり、フェイトが休暇を申請した時点ではエイミィたちに彼女を止める道理はなかったのだ。

「……状況を、報告するね」

何事もなかったかのようにエイミィが仕事を再開した。

「まず、昨日の朝。上から通達があった。『高町なのは失踪、ただちにこれを捜索し、確保せよ』ってね。
 詳しい資料は後で読んでもらうけど、これには、クロノ君との戦闘このことや、ジュエルシードのことも書かれてた。
 で、私たちは大慌てでなのはちゃんの捜索を開始。そして、それと同時に彼女を追っているはずのフェイトちゃんの方についてもトレースを開始した」

いい? クロノと視線を合せ、エイミィはカタカタとキーボードを叩く。

「なのはちゃんの行方はまだわかっていない。相当に気を使って追跡を巻いてるみたい。でも……」

カタッ

と、弾ませるようにキーを打ち、エイミィはほほ笑んだ。

「フェイトちゃんの方は今さっき捕捉したよ。誰のせいか知らないけど、変な風にジャミングがかかってて解析には、少し、手間どったけどね」

さすがはエイミィ、仕事が早い。

「……中央のモニターに出すよ」

ザッ

そんな音が聞こえた方思うくらいにひどいノイズの走った映像が映し出された。
実際、エイミィが「手間どう」レベルのジャミングがどの程度なのかは知らないが、もとはそうとう荒い画像だったろうことがうかがえる。

上空からモニタリングされているらしく、下方には大きく広がる森林のようなものが見える。
そこに映されている人影は四つ。
それぞれがばらばらに激しく動いている。

これは……

「……戦闘…してる?」

無意識にエイミィの口からこぼれたその言葉は、背後に鳴った足音に溶けた。

扉が開く、機械的な音。



「行ってくる」



幼く端的な声と共に、少年の姿は管制室から消えていた。















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ぴんくいくま

Author:ぴんくいくま
・趣味
読書、テニス

・流行りもの
ファンタシースターポータブル
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・実施中の企画
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「一日一杯、おいしい牛乳」
「就寝前の30分、筋トレ月間」
「1ヵ月食費1万円生活」

・今回の執筆BGM
 『歌に形はないけれど』
by フニ子

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