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魔法少女リリカルなのはI’s 第五話





それは、ちいさな記憶でした


大切な人に突き立てられたのは、尖った記憶

自分に必要だったのは、彼女を支える強い意志


愛しい彼女は、強くて、優しくて、でも、とても脆くて……


そんなあなたを、あたしは守りたいと思ったんだ


いつも温かだった、あなたの心

抱きしめてくれた、優しい両手


そう、強くて優しいこの想いは、あなたから貰った大切な宝物だから………










――――― 魔法少女 リリカルなのは I's
                           はじまります ―――――



              第五話 「金色の劫火」













突然背後に現れた『影』に、フェイトは息を呑んだ。
それは、そう、まるで最初からそこに居たかのような、そんな気配。

     ヒュッ

反射的にかわしたフェイトを追うように、背後の『影』はその武器を真横に薙ぐ。

「バルディッシュ!!」

『Yes sir.』

フェイトは極小のシールドを片手で展開しつつ、戦斧でそれを受け止めるように構えた。

     ガッ

重い斬撃

まるで大きな壁に衝突したかのようなその衝撃を受け止め、鍔迫り合いになって初めて、フェイトは相手の武器の全貌を知る。

大剣

鈍色に輝く大きな剣。
無骨で飾り気のない重厚な鉄の塊。

「それっ♪」

あまりにも場にそぐわない掛け声と共に、『影』は硬直していたフェイトを突き放した。
いとも簡単に、軽々と。

自然に両者の距離が開き、『影』とフェイトが始めて向き合う形になった。

『影』は言う

「この子は『クレイモア』。お母さんが私の為に作ってくれたデバイス」

銀の防護服に身を包んだ小さな人影。

「そして、私はアリシア。アリシア・テスタロッサ。あなたのお姉さん」

ハーフアップにしたブロンドの髪、夢で見たままの『赤い瞳』
優しく微笑む、柔らかい頬。

きれいなくちびるが言葉を紡ぐ。

「私たちのお母さんは生きている。だから、フェイト……」

アリシアは、大剣・クレイモアを正眼に構えなおした。
肩の力を抜き、油断のない目つきでフェイトを見つめ、そして……

「……お願い。『ためし』を越えて、お母さんのところに来てっ!!」

正面から、突進してきた。







    ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇







「てぇぇいっ!!」

アルフは思い切り踏み込んで、『彼女』に殴りかかった。
目も覚めるような速さで、強さで、渾身の力をこめて衝撃を叩きつける。

「ふっ!!」

対する『彼女』も、その衝撃に負けないようにしっかりと体勢を整え、それに応じた。

   バンッ

拮抗する力と力は、小爆発と言うかたちで四散する。
しかし、互いに場馴れした者同士、その風圧に弾き飛ばされることはなかった。
両者ともが距離をとり、相手の出方を伺う。

「あんたが、リニスのはずがない」

敵意を浮かべたまま、アルフは言う。
たくましい肢体を余すことなく緊張させ、戦闘態勢を整えながら。

「あいつは、リニスは死んだんだ。あの時、あの場所で、フェイトを見守りながら」

鋭い眼光で、『彼女』をにらみつける。

「もう、リニスはこの世にいない。フェイトはそのことを、血を吐くような思いで諦めて、長い時間をかけて踏ん切りをつけて、
 やっと、あいつを過去にできて、いい思い出にできたんだ。
 ……フェイトは……フェイトは……本当につらい思いをしてきたんだ。
 でも…それなのに、あんたらは、その恰好でフェイトの前に現れた。フェイトの心を……傷つけたっ!!」

いっそう強く言葉をぶつけ、それと同時に『彼女』に向けて突進する。


「だから、あたしは、あんたたちを、許さないっ!!」


一瞬だった。

先ほどの初撃よりもなお速く、鋭い拳が『彼女』を襲う。

「くぁっ!?」

とっさの衝撃を完全に防ぎきることができず、中途半端な防御体制のまま『彼女』は後方に吹き飛んだ。
追い打ちをかけるため、アルフもそれに続く。

「りゃっ!!」

アルフが追撃の一手を入れようと上半身をひねった瞬間


「アルフさがって!!」


上方から、聞きなれた声が聞こえた。
それに反応し、とっさに身を引いたアルフは声の主を探して上空を仰ぎ見る。

「スティンガーブレイド・エクスキュージョンシフトッ!!」

アルフが少年の姿を確認した瞬間、まるでスコールのような光矢が降り注いできた。
その無数の光はそれぞれ一直線に標的を捉え、そして、一瞬のうちに爆音を上げて炸裂する。

「クロノッ!?」

黙々と上がる噴煙の中、驚くアルフのもとへ漆黒の少年が降りてくる。

「アースラからフェイトが消えて、アルフもいない。心配して後をたどれば案の定だったよ。」

なのはと戦った傷も癒えていないのだろう、疲労の色を隠せぬままにフェイトと同じAAAクラスの魔道師は優しく言った。

「戦況は解ってる。アースラからもモニタリング中だ。じき、増援も来るだろう。」

目の前を覆う噴煙になおも注意を払い、クロノは問うた。

「……彼女たちは何者だ?」

それは、アルフにも答えられない問いかけ。
いや、単に答えるだけならばたいした問題ではない。
しかし、クロノが聞いているのは相手の形状のことではなく、その本質。

「わから……ない。」

死人の姿をとり、突然戦闘を仕掛けてきた相手。
魔術的力量を見ても、生前の本人と何ら矛盾することのない力。
本人だと信じてしまいそうな口調やちょっとした仕草。
アルフにはそう答えるしかない。

「そうか。」

短く頷いたクロノは、きつい視線で晴れかけた噴煙を見つめる。

「……いずれにしろ、僕たちのやるべきことははっきりしている。」

一陣の風が吹き、『彼女』を包んでいた煙が取り払われていく。
そして、あらわになった人影。

「油断しました、増援がこんなに早くに来るなんて。あなたたちは良い仲間に恵まれたようですね。」

『彼女』は先ほどと何も変わらない様子でほほ笑むと、微かに乱れていた裾を軽くはたいた。
それは、あの大魔法を喰らってなお『彼女』が無傷であったということの証。
そして、防衛を極めたベルカ式の守護獣と同等の防御力を持っているという証。

その姿を見つめ、知らずクロノはフェイトと同じことを口にする。

「彼女たちを確保して、事情を聴きだす。……いくよ、アルフ!!」








    ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇








複数の高レベル魔道師とその使い魔が入り乱れる集団戦闘。

その激しさはモニタリングしているだけのアースラ艦内でさえも、息苦しく感じられるほどに想像を絶するものだった。
高速で動き続ける五つの影、それぞれがそれぞれの意図を持ち、連携し、分散し、一瞬の隙をついては凄まじい破壊力の攻撃を放つ。
先の『P・T事件』そして、「闇の書の暴走」をその目で見たエイミィでさえも、その光景には圧倒されるより他なかった。
それは、完成された絵画のような迫力で、見る者を引き付ける。


そして、本来傍観者になるべきではなかった彼らが犯した一つの失敗。


誰一人として、遥か上空でその様子を見物している白い少女の存在には気が付くことなく、ただされるがままにその光景に見入っていた。

















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ぴんくいくま

Author:ぴんくいくま
・趣味
読書、テニス

・流行りもの
ファンタシースターポータブル
「歌ってみた」


・実施中の企画
「一日一杯、野菜ジュース」
「一日一杯、おいしい牛乳」
「就寝前の30分、筋トレ月間」
「1ヵ月食費1万円生活」

・今回の執筆BGM
 『歌に形はないけれど』
by フニ子

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